わらわはバグじゃ!

第一話

はじめてのバグハウス

1992年11月2日。

はじめてバグハウスにやってきた。

「おー、なんと広い部屋。わらわの部屋はどこじゃ?どこじゃ?」
と問いかけてみたが、みんなヘラヘラするばかり。

「ちょっと怖いぞよ〜」

知らない人が5人。「緊張するぞぇ…」と思っていたら、トイレに行きたくなった。ちょっと慣れ慣れしい女の人がトイレの場所を教えてくれたので、早速使わせてもらうことにした。

「え〜っ、こんなところでするのかぇ!」

狭いトイレだったのだ。
やはり、初めての場所は苦手だ。そう、わらわは人見知りが激しい。今日一日、人目をさけ、隅っこですごすことにするぞ。



そして夜。
一人…また一人と帰っていく。

「ちょっと、ちょっと、わらわも帰るぞょ〜!」
と叫ぶ声も届かず、とうとう一人ぼっちになってしまった。

そうそう、ここの連中がわらわに向かって『バグ!、バグ!』と呼んでいたが、まさか、わらわのことではあるまい。男みたいな名前だもの。わらわは麗しき女性だから、そんなはずはない。

まあよい。明日になればわかることじゃ。

とりあえず、食事もまあまあだし…、今日からここがわらわの家じゃ。

一戸建じゃ!